便秘の種類①
①直腸性便秘
肛門の直前(直腸)で、便が溜まっている状態が直腸性便秘です。
大腸は水分を体内に吸収する働きがあるため、大腸に長く留まった便は水分量が減ることで「コロコロうんち」となり、さらに排便しづらくなります。
原因
いちばんに挙げられる原因は、便意を我慢することです。
朝忙しかったり、仕事でタイミングよくトイレに行けなかったりする方は、注意して下さい。
我慢することが多くなると、便意を感じにくくなったり、さらには、便が溜まっても便意を感じなくなったりしてしまいます。
また、浣腸に頼りすぎると、腸が浣腸の刺激に慣れてしまい、浣腸なしでは便意を感じなくなる場合もありますので、注意しましょう。
症状
便が排出されず直腸に長く溜まってしまうと、便の塊は大きくなり水分量も減ってしまうため、ますます排便がじづらくなります。
その結果、トイレに座っている時間が長くなったり、やっと排便できても、肛門や直腸に痛みを伴う場合もあります。
そんな状況が続けば、痔になる危険性も高くなるのです。
食事で気を付けること
便秘を改善するためには、腸内環境が大切です。乳酸菌や食物繊維を多く摂るよう心がけましょう。
しかし、直腸性便秘では肛門直前で便が大渋滞を起こしている状況なので、まずはその渋滞緩和として、薬を適正に使用し便秘の症状を改善させることも重要なこととなります。
②弛緩性便秘
弛緩性便秘とは、腸管が収縮したり広がったりする蠕動運動(ぜんどううんどう)が弱くなり、便が肛門までスムーズに進まない状況となり起こる便秘です。
原因
主な原因は、腸の動きが悪いことです。高齢になるにつれ腸の動きが悪くなるため、高齢者の方に弛緩性便秘が多いのはそのためです。
また、ダイエットや偏食による食物繊維の不足や食べる量が少ないと、腸内での便の量が少なくなり、腸が刺激されず、結果として腸の蠕動運動が弱くなり、便秘になります。
症状
大腸内に便がまんべんなく存在している状態となるため、排泄してもすべてが出た感じがせず残便感が残ったり、便が腸内に長く留まることにより悪玉菌からメタンガス(おならの元)などのガスが発生することにより、お腹が張ったり、肌荒れ・肌のくすみの原因にもなります。
また、お腹の張りや腸の動きが弱いために、健康的にお腹が空かず、食欲不振となる場合もあります。
食事で気を付けること
弛緩性の便秘では、まず食物繊維を多く摂りましょう。
オリーブオイルなどの油分も腸内の便をスムーズに運ぶ効果があるため、適量(1日大さじ2杯くらい)の摂取をおすすめします。
便秘も病気のひとつです。症状がひどい場合は、病院を受診したり、かかりつけの薬局で薬剤師にご相談されることをおすすめします!