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USEFUL COLUMN

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インフルエンザ

インフルエンザは、ウイルス性呼吸器感染症であり、唯一ワクチンで予防のできる疾患です。
ウイルスに効く薬の種類は限られており、今のところノロウイルスやデング熱ウイルスなどに効く薬はありませんが、インフルエンザにはタミフルなどの抗インフルエンザウイルス薬が有効です。

しかし、通常の風邪に比べ、症状も重く、高齢者では重症化することもあるため、感染の予防として、手洗い・うがいがとても重要です。
ここでは、インフルエンザの症状や治療薬、予防方法などについてご紹介します。

流行時期

流行時期は 11 月下旬ごろ始まり、ピーク時期は 翌年1 月下旬から 2 月上旬ごろとなります。
過去3シーズン(2015/16、2016/17、2017/18)はほど同じ時期となっています。

国立感染症研究所の報告によると、2017/18シーズンのピークの高さは、感染症法施行開始の 1999 年 4 月以降、最高とのことです。

主な症状

インフルエンザは38℃以上の「高熱」を伴って急激に発症し、全身倦怠感、食欲不振などの「全身症状」が強く現れます。関節痛や筋肉痛の症状があるのも特徴です。
少し遅れて、咳やのどの痛み、鼻水などの「呼吸器症状」が現れ、吐き気などの「消化器症状」と訴えることもあります。通常は、1週間~10日ほどで回復します。
これに対し、通常の風邪は、咳・のどの痛み・鼻水といった「呼吸器症状」が主な症状で、関節痛や筋肉痛といった症状はあまり見られません。また、インフルエンザは、肺炎やインフルエンザ脳症などを合併して重症化、死に至る場合もあります。

最近では、流行するウイルスの種類によって、インフルエンザ症状の特徴である「高熱」が現れない場合も見られます。あまりつらい症状ではない場合でも、感染リスクは通常と変わりないため、ご家族や職場にインフルエンザにかかった人がいる場合は、早めに受診しましょう。

原因ウイルス

インフルエンザは、インフルエンザウイルスがヒトや動物に感染することで発症する感染症です。
最近、ヒトで主に流行しているインフルエンザウイルスは、A/H1N1、A/H3N2、B型です。複数のインフルエンザウイルスが同時に流行することにより、患者数の増加に影響をおよぼしている可能性も示唆されています。
ちなみに、高病原性鳥インフルエンザのウイルスは、A/H5N1であり、鳥インフルエンザウイルスに感染している鳥に接触することでヒトへの感染が確認されています。

感染経路

インフルエンザウイルスの主な感染経路は飛沫(ひまつ)感染です。

インフルエンザに感染した患者さんの咳やくしゃみなど、口からの細かい水滴(これを飛沫といいます)に含まれるインフルエンザウイルスを吸い込むことによって感染します。
体内に入ったウイルスが、のどや鼻腔、気管支などせ急増することによりインフルエンザを発症します。

予防方法

ワクチン接種

インフルエンザは、唯一ワクチンで予防のできる疾患であり、ワクチン接種は予防として有効です。ワクチンを接種することで、インフルエンザの重症化や合併症、死亡を予防し、健康被害を最小限にすることが期待されます。
ワクチンは、その年にどのウイルスの型(タイプ)が流行するかを予測して、毎年製造されています。ワクチンの接種回数は、通常、13歳以上では1回、13歳未満では2~4週間の期間をあけて2回の接種が推奨されています。ワクチン接種後、免疫を獲得するまでに少し時間がかかるため、ワクチン接種はインフルエンザが流行する前、11~12月までには受けることをお勧めします。
また、鶏卵から分離されたウイルス株を使用しているため、卵アレルギーをお持ちの方は、必ず接種前に医師に確認してください。

手洗い・うがい

インフルエンザウイルスは、感染者の咳やくしゃみにより、手などにも付着していて、そこから、ドアノブや電車やバスのつり革、階段などの手すりなどを介して感染します。この接触感染を予防するのに有効なのが、手洗いです。

のどに付着したウイルスを洗い落としてインフルエンザの感染を予防するには、うがいが有効です。
また、空気が乾燥していると、のどのバリア機能が弱まり感染しやすくなったり、ウイルスが空気中を舞う時間がながくなり、感染リスクが高くなるため、マスクを着用したり、加湿器や濡れたタオルなどを干して室内の湿度を50~60%保つよう心がけましょう!

*正しい手洗いの手順*

  1. 手のひらをゴシゴシ
  2. 手の甲をゴシゴシ
  3. 指先・爪をゴシゴシ
  4. 指の間をゴシゴシ
  5. 親指を包むようにゴシゴシ
  6. 手首をつかんでゴシゴシ
  7. 流水で20秒以上流す
  8. 手を拭き、乾燥させる

治療薬

現在、病院で処方される抗インフルエンザウイルス薬は、内服薬2種類、吸入薬2種類、点滴静注液1種類です。最近の傾向としては、1回の吸入で有効なイナビル吸入粉末剤が主流となっています。
しかし、高齢者や小児といったうまく吸入できない患者さまには、1日2回・5日間の服用が必要なタミフルカプセル・ドライシロップが処方されます。2018年3月に発売されたゾフルーザ錠は単回の内服薬となっているため、幅広い使用が予想されます。

服用時の注意としては、これらの抗インフルエンザウイルス薬の使用により、高熱や関節痛などの自覚症状が改善した場合でも、ウイルスの感染リスクは発症後3~7日間と言われているため、外出は控え自宅で安静にしてください。
また、小さなお子様に処方されるタミフルドライシロップは苦味があるため、チョコアイスと一緒に飲ませるのがおすすめです。乳酸飲料やバニラアイス、リンゴジュースは混ぜると苦味が増すことがあるので避けましょう。

抗インフルエンザウイルス薬一覧

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