寒さもやわらいできた様子ですが皆様お元気におすごしでしょうか?

寒い季節に限ったことではありませんが、急にお腹を冷やすと下痢や腹痛に見舞われることがあります。このしくみについては明確に理解されていないようです。お腹が冷えやすいのに制服のスカートを短くしている高校生の娘が先日授業で仕入れてきた情報です。細胞レベルや遺伝子レベルで解明されていることもあるのに何でこんな簡単そうなことがわかっていないのかと憤っておりました。
冷えと下痢・腹痛の関係を解明しても画期的な高額の新薬の開発に繋がらなさそうだし、命に関わる事象ではない、つまり「商売にならない」からではないかという結論に達しました。

そこで「急にお腹を冷やす」と「下痢・腹痛」の因果関係について調べてみました。

「急激に冷えると自律神経が乱れて腸が失調し下痢・腹痛を起こす」、「急激な冷えに対しての生体防御反応として下痢・腹痛を起こす」という解説が多く見受けられました。原因不明であったり、コントロール不良の様々な症状について「自律神経の乱れ」と解釈されることがあります。ですが、今回のお話ではちょっと当てはまらないような気がします。むしろ冷えに対する合理的な体の防御反応と考えるのが妥当なのではないかと思われます。

人間は恒温動物ですので季節の気温変化に寄らず体温は概ね一定に維持されます。緩やかな外気温の低下に対応するのが褐色脂肪細胞です。ですが急激にお腹を冷やした時、体はまず大事な部分(体幹部)の体温低下を抑え機能を維持しようとします。下痢により水分を排出すると大腸からの水分の吸収が低下し末端(手足先)への血流量を抑え体幹部の熱を逃がさないようにします。この時発汗による水分の排出では体温が下がってしまうので逆効果です。また、腸を活発に動かすことで発生する熱でお腹が温められると考えられます。腸の動きが活発になった結果、腸の内容物の移動するスピードが上がり下痢につながり、この時普段以上に腸が収縮するので腹痛を感じます。排尿による水分排泄に比べ、腸を動かし発熱させつつ水分を排出させることが出来、一石二鳥です。

こんな感じで母娘で納得に至りました。何れにせよ娘はスカート丈をもう少し長くすればお腹を冷やして辛い思いをすることも減ると思いますが、その点では合意は得られませんでした。

 

ユーアイ薬局新大久保店 二木